この本の効果的な使い方


この本の効果的な活用方法
  この本は「吟詠コンダクター」との併用を念頭に作って在りますので、十線譜の各横線と横線との間には原則として音は無いものとして使って頂きたいのです。但し、例外として「レ」「ソ」の音については吟詠の内容によっては使用する場合が有りますので、その点誤解の無いように使用して頂きます。
 実際に吟じる場合の各音の長さや、間合等に関しては、紙面の都合上どうしても正確に表すことが出来ませんので、これに関しては、それぞれの主観や各先達の吟詠を聞き、その中から自分の情感に合ったものを取り入れて吟じてもらえれば良いのではないかと思います。

 もとよりこの本が
「絶対に正しいからこの本の通りに吟じなさい」等と言うような思い上がった気持は著者には毛頭御座いません。ただただ初心者の方で、これから詩吟を始めようとなさる時の、一つの目安にして頂き、更に詩吟を指導しておられる方達が、「初心者に詩吟を指導する時の初歩的な資料として活用して頂ければ、より一層の理解が得られるのではないか」と言うのが著者の思いであります。、丁度、自動車学校の運転教本のようなものだと考えて頂ければよいのではないでしょうか。あくまでもこの教本のメロディーは基本であって此れが全てでは無いと言う事であります。

 各頁の上段は「漢詩」と、その右横に「振り仮名」「アクセント記号」「吟譜」とが記入してあります。従ってこの本で詩吟を勉強なさる方は、自分の所属する流派・会派で使用している吟譜を色付きのペン等で記入して比較しながら自由に勉強して頂きたいのです。気楽なテキストとして詩吟の研鑽に役立ててほしいと念じております。

 練習を積んで詩吟を習得された方は、この基本のメロディを基にしてご自分の情感にマッチした吟詠のメロディを練り上げていかれればよいでしょうし、その事が著者自身が目指したこの本の理想的な利用の仕方であります。御健闘をお祈りいたします。

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